「野球はツーアウトから」——テレビの前で勝手にドキドキする、素人ファンの醍醐味

MLBではワールドシリーズ、NPBでは日本シリーズが始まり、野球界が最も盛り上がる季節がやってきました。

私自身はといえば、普段から球場に通い詰めているわけでもなく、戦術に詳しいわけでもありません。大きな大会や熱戦をテレビで観戦しては一喜一憂している、いわゆる「にわかファン」です。

プロの本当の心理や高度な駆け引きなんて、素人の私には当然分かりません。

それでも、テレビのこちら側で画面に釘付けになってしまう理由があります。

特に、あの有名すぎるフレーズの瞬間です。

「野球はツーアウトから」

ツーアウト、ランナーなし。

普通に考えれば、あとアウト1つで攻撃が終わってしまう絶望的な状況です。

それなのに、テレビの前でビールを片手に見つめている私は、なぜか胸がドキドキして、どこかで期待してしまうのです。

「ここから、何かが起きるんじゃないか」と。そんなドラマを、ついつい期待してしまいます。

そして、「きっと今、マウンドのピッチャーは早く交代したくて焦ってるのかな」「相手が下位打線だから、無意識に油断があったりするのかな」なんて、勝手に心理戦を想像しながら観るのが、個人的な一番の楽しみ方だったりします。

「あと1人で攻撃に移れる」という、勝手な想像

野球は、当たり前ですが「スリアウト」を取ることで初めて攻守が交代するスポーツです。

だからこそ、ツーアウトまで来ると、素人目には「守っている側は早く自分たちの攻撃に移りたいだろうな」と思ってしまいます。

特に、上位打線を抑えてツーアウトまでトントン拍子に進み、打席に迎えるのが下位打線だった時などは、観ているこちらまで少し気を抜いてしまいそうになります。

「ここをサッと抑えて、次の回はクリーンナップから攻撃だ」

「相手は下位打線だし、簡単に打ち取れるだろう」

プロの世界でそんな単純な話があるはずもないのですが、もしもマウンド上にほんのわずかな「油断」や「慢心」のようなものが生まれているとしたら……と想像すると、なんだか急に目が離せなくなります。

スリアウトを取れば無失点でベンチへ帰り、自分たちの攻撃にバトンをつなげる。しかし、取れなければいつまでも守り続けなければならない。

その「早く攻守交代したい」という焦りと、「相手は下位打線だ」という油断が交錯しているんじゃないか——そんな妄想を膨らませるのが楽しいのです。

たった1つの出塁で、空気が変わる(気がする)

ストライクを取りにいった甘い一球。

あるいは、打ち取ったはずの打球が野手の頭をわずかに越えていくボテボテのヒット。

安易に抑えられると思っていた(ように見える)下位打線に「たった1つの出塁」を許した瞬間、テレビ画面越しにもグラウンドの雰囲気がガラリと変わる気がします。

「簡単に終わるはずだったのに……」

そう思った瞬間から、ピッチャーの投球が急に慎重になり、カウントを悪くして四球を出してしまう。

「早く終わらせたい」というプレッシャーが強まっているのかな、なんて画面に向かって勝手にハラハラしていると、気づけばツーアウト満塁——。

さっきまで「あと1人でチェンジ」だったはずの状況が、一転して「一打が出れば一気に試合がひっくり返る大ピンチ」へと変貌していくのです。

これぞ、テレビ観戦の最高の醍醐味

プロの実際の苦悩や戦略の正解は分かりません。

けれど、

  • 攻撃側の「まだ終わらせない、ここから上位につなぐ」という執念
  • 守備側の「早く終わらせて交代したい」という焦りやプレッシャー

アウトが「あと1つ」しかない極限状態だからこそ、選手たちの間でそんな心理戦が繰り広げられているんじゃないかと想像しながら観る。これこそが、にわかファンの私を夢中にさせる最高の醍醐味です。

簡単に終わるはずだったイニングが、ふとしたきっかけで誰も予想しなかったドラマへと変わっていく瞬間。守備側が喉から手が出るほど欲しい「最後のスリアウト」が、果てしなく遠く感じられるあの緊張感。

結局、正解は分からないけれど、こうやって画面の前で「ああでもない、こうでもない」と勝手にドキドキしながら観る野球が、やっぱり一番面白いのです。

今夜もテレビの前で、あと1つのアウトに目を凝らしながら、密かなドラマを期待してしまいそうです。

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